ランキング。スポーツの世界において選手及びチームの成績を示す大事な指標です。
誰が強いのか。どこのチームが凄いのか。見る人によって受ける印象は様々あり、国際大会では勝敗を予想する際に重要視されています。
選手にとっても、自分の価値が認められる意味深い数字です。
年間の実績が評価の対象となるランキングで1位を獲得するのは、大きな試合で優勝するより大変な事でしょう。
プロテニスプレーヤー錦織圭選手の世界ランキング4位が発表された時、日本中に歓喜の渦が巻き、誇らしげに快挙をたたえる賛辞が飛び交っていたのを思い出します。
時に国を熱狂させてしまうランキング。テニス界ではどのように決めているのでしょうか。
ランキングの決め方
トッププレイヤーがしのぎを削る試合は見応え十分ですね。優勝者に送られる賛美はさることながら、選手たちを引き付けるのはポイント数。
テニスで最も有名な4大大会と称される「全豪」「全仏」「全英」「全米」、これら大きな大会ほどポイントが高く、実力者が集まり面白いゲームをたくさん見ることが出来ます。
ランキング上位30のプレーヤーは以下の退会への出場義務が課せられています。
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- グランドスラム(全豪・全仏・全英・全米)
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- マスターズ1000 9大会のうちモンテカルロを除く8大会
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- ATP500 11大会中4大会、そのうち1大会は、9月USオープン後の大会
優勝、準優勝が多ければ、ポイントがたくさんもらえます。ポイントは以下の通り。
大会 | 優勝ポイント | 準優勝ポイント | ベスト4ポイント | ベスト8ポイント | ベスト16ポイント |
グランドスラム | 2000 | 1200 | 720 | 360 | 180 |
ツアーファイナル | 900 | 900 | |||
マスターズ1000 | 1000 | 600 | 360 | 180 | 90 |
500シリーズ | 500 | 350 | 180 | 90 | 45 |
250シリーズ | 250 | 150 | 90 | 45 | 20 |
ただし、ポイントの対象となるのはポイント獲得が多い18大会となるので、18試合以上参加したとしてもすべての獲得ポイントが加算されるわけではありません。
ランキングは過去一年間に獲得したポイント数が加算され、一年以上前のポイントは消失していきます。
過去12カ月のポイントのみを順位化したものなので、ランキングが各選手の現在の実力を示していると言えるでしょう。
プロとしては良い成績を残さなければその世界に残れなくなります。ランキングを上げることはプレーヤーの宿命ですね。
4大大会以外にもマスターズ1000、500シリーズなどのツアー大会が世界各地で行われており、若手選手がチャンスをつかめる試合もたくさん用意されています。
ベテラン勢の極まる技がせめぎ合う試合。若く荒々しい力のぶつかり合う試合。いろいろなゲームを観戦して楽しんでいただければと思います。
男子歴代シングルス優勝数TOP10
順位 | 名前 | 国名 | 優勝回数 |
1位 | ジミー・コナーズ | アメリカ | 109 |
2位 | ロジャー・フェデラー | スイス | 97 |
3位 | イワン・レンドル | チェコスロバキア | 94 |
4位 | ラファエル・ナダル | スペイン | 79 |
5位 | ジョン・マッケンロー | アメリカ | 77 |
6位 | ノバク・ジョコビッチ | セルビア | 68 |
7位 | ピート・サンプラス
ビョルン・ボルグ |
アメリカ
スウエーデン |
64 |
9位 | ギリェルモ・ビラス | アルゼンチン | 62 |
10位 | アンドレ・アガシ | アメリカ | 60 |
女子歴代シングルス優勝数TOP10
順位 | 名前 | 国名 | 優勝回数 |
1位 | マルチナ・ナブラチロワ | チェコスロバキア | 167 |
2位 | クリス・エバート | アメリカ | 157 |
3位 | シュテフィ・グラフ | 旧西ドイツ | 107 |
4位 | マーガレット・スミス・コート | オーストラリア | 92 |
5位 | セリーナ・ウィリアムズ | アメリカ | 72 |
6位 | イボンヌ・グーラゴング | オーストラリア | 68 |
7位 | ビリー・ジーン・キング | アメリカ | 67 |
8位 | リンゼイ・ダベンポート
バージニア・ウェード |
アメリカ
イギリス |
55 |
10位 | モニカ・セレシュ | ユーゴスラビア | 53 |
まとめ
時折、自分の不甲斐なさや運の無さに我を忘れ感情をあらわにしてしまうシーンをカメラがとらえます。
三者三葉ではありますが、一つ忘れていただきたくない事は、それほど必死にプレーをしているという事です。
選手はたくさんのものを背負っています。コーチ、スタッフ、スポンサー、家族、等々。
自分を支えてくれる全ての人たちの思いや願いを、縦23.77m、横8.23m(シングルス)の白線に囲まれたコート上で、一つのボールに打ち込みます。
勝敗は時の運もありますが、「勝つために」「ポイントを得るために」「ランキングを上げるために」力の限りラケットを振っています。
選手の全てがあるランキング。これからも注目ですね。